赤くなった生筋子や、網でほぐしきれなかった生筋子でやります。
■お湯でほぐすということは・・?
雑誌、新聞、TV等で「お湯」を使ってほぐす方法が紹介されていますが、
実際やってみて、うまくいっているかどうかハッキリと分からない方が多いようです。
だって、とりあえず出来ちゃいますから・・・。
が、ですね、出来ちゃうが故に、間違っている方も多いです。
※実は、魚屋さんも結構間違っていたりする!
「お湯」正確には、「お湯+塩」ですが、この方法は、
生筋子の袋や膜を 熱で縮めて(破れて) 卵を取り出す
という、方法です。
さて、お湯はどれ位の温度だったらいいのか?
極端な話、熱湯でもほぐせますが、まさか、ネェ・・・。
お湯は熱すぎてもだめだという事は分かりますよね。
よく、50℃というのを聞きますが、温度計で測ります?本当に50℃にできるのかな?
60度になると、卵の皮が硬くなります。この事は、タンパク質が60℃になると変性(変質)することによります。だから、あまり高温でやるのはよくないですね。
※逆に、60℃より低ければ、卵はあまりダメージを受けないということです。
一方、「ぬるま湯」と聞いて、やや温かいという程度でやっている方。
あるいは、鮮度を気にして 「水」 でやっている方。
どちらも間違いです。
生筋子の卵は、結構「水」を吸います。
やり方によっては、300gの生筋子をほぐしたら、300gの生いくらが出来た!
なぁ〜んて事も・・・。
生筋子の袋と膜を取ったのに、重さが変わらない???
水を吸った分だけ、重さが増えちゃったんです!
網でほぐすと、300gの生筋子なら、260g程度の生イクラが出来ます。
40gも水を吸う・・・・。
当然、味付けがおかしくなりやすいです。
お湯の温度が低い程、ほぐすのに時間がかかるので、その分余計に水を吸います。
じゃぁ、「お湯」は何度くらいならいいのか?
生筋子の量とお湯の量によりますが、 42℃ 位がいいでしょう。
42℃というのは、「やや熱いお風呂」の温度です。
なんとか手を浸けていられる程度。ちなみに50℃では、手を浸けられません。
と、言う事で、お湯は「やや熱いお風呂」の温度だと分かったところで
実際にほぐしてみましょう。
■「お湯」には塩を入れてほぐします
・お湯にたっぷり塩を入れます。濃さは1%以上ですが、それ以上に濃くても大丈夫
※生筋子をほぐした時にお湯が白く濁ったら、塩が少ない証拠。塩を足しましょう。
※また、塩が少ないと袋や膜が千切れやすくなります。あとで残骸が多くなります。
・生筋子の袋の切れ目から左右に袋を開いて、中の卵が見えるようにします
・お湯の中に入れます
・お湯の中でほぐしますが、次の2つのやり方があります
1.雑巾をもみ洗いするように(左右の手を交互に動かす)
2.卵が出ている方を内側に2つ折にし、両手で挟んで回すようにこする
・生筋子の中心部からほぐれますが、周辺部では「2」の方法が良いです
・淵に残った卵は、指で「軽くしごくようにする」か、1粒づつはずします
■ほぐれたら、すぐに冷やす
・ほぐれたら、一旦ザルに生イクラをあけ、ボールに水を張り、生イクラを入れます。
・少し待って、温度が下がったら、すぐにザルに移します。
・ボールに塩水を作り、生イクラを入れます。
※ここまでは、出来るだけ早くやりましょう!
・塩水の中に生イクラが入った状態で、残骸取りをします。
・塩水を出来るだけゆっくり捨てます(浮いた残骸を捨てるようにする)
・ザルにあけ、タオル等でザルの底の水分を取ります。
・固く絞ったタオルの上に生イクラを広げます。
これでお湯を使ったほぐし方の終了です。
ポイントをあらためて書いておきます
○ お湯の温度は「熱〜いお風呂」
○ 塩をたっぷり入れます
○ ほぐし方は、「雑巾をもむ」または、「両手に挟んで回す」
○ ほぐれたら、「水→塩水」を手早く!
次回は、いよいよ味付けです。
今までどんなレシピみていても失敗ばかりだったのに、初めていくらが出来ました。しかも簡単に!!今までは、筋が白くなり、ほぐすのに一時間とか二時間とかかかって、泣いていたのに、やっと原理が分かって、すんなりいくらが出来ました。感謝です。